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2021.04.09

【キックボクシング】皇治選手( TEAM ONE所属)インタビュー【後編】

【キックボクシング】皇治選手( TEAM ONE所属)インタビュー【後編】

キックボクシング・皇治選手のジュニア時代に迫るインタビュー。

後編では、皇治選手が普段行っているトレーニングメニューの解説や、パンチ・キックのテクニックをジュニアアスリートの皆さんにも分かりやすく解説して頂きました。

 
【皇治選手プロフィール】

1989年生まれ。173cm、60kg。大阪府池田市出身。K-1 WORLD GP第4代スーパー・フェザー級 王座決定トーナメント第3位。ISKA K-1ルール世界ライト級王者。元HEATライト級王者。

小・中学時代には空手で全国1位、日本拳法では全国2位になった経験を持つ。

2016年4月からK-1に参戦し、歯に衣着せぬ発言で注目を集め、スーパー・フェザー級の主要ファイターとなった。

2020年よりRIZINに参戦。

 

【アスリートナビゲーター・田中大貴プロフィール】

兵庫県出身。1980年生まれ。 兵庫県立小野高校卒、慶應義塾大学環境情報学部卒。

大学時代は体育会野球部に所属し、東京六大学でプレーする。

2003年~フジテレビに入社し、アナウンサーとして勤務。 「EZ!TV」「とくダネ」「すぽると」「HERO’S」、スポーツ中継等を担当。 バンクーバー五輪、リオデジャネイロ五輪現地キャスター。

2018年~独立し、スポーツアンカー、フリーアナウンサーとして活動中。 番組MC、スポーツ実況、執筆連載などメディア出演の他にスポーツチーム・団体・企業とのビジネスコーディネーション、メディア制作、CSR活動イベントの企画・運営も積極的に取り組む。

 

 

皇治選手直伝・ジュニアアスリート向けトレーニング

今回は特別にジュニアアスリートの皆さんに、普段行っているトレーニング、子どもたちでもできるトレーニングを教えてもらいたいと思いますが。

 

皇治:自分の大先輩で、こちらのジムで自分は練習させてもらっているんですけど、ここの代表も務められている元K-1ファイターの左右田泰臣さんです。ずっと教えていただいているんで、今日は左右田さんに自分がやってるトレーニング方法を説明していただこうと思います。

 

1:フットワークトレーニング

 

左右田:よろしくお願いします。まずは僕がボクシングジムでトレーニングをしていた時、終了後の補強でよくやっていたステップのトレーニングなんですけど。真ん中に立っていただいて、横にマーカーを置きます。これは結構広いほうがいいです。ヨーイスタートで、もうその場でずっと足踏みですね。この時に細かく速く、一番のポイントは強くです。細かく速く普通にやるのはできるんですけど。バタバタと音がなるように。

 

 

左右田:そうです。パートナーの人が「上」って言ったら、膝を胸につけるようにジャンプして、またずっと足踏み。「下」って言ったら、バーピーのジャンプなしをする。「左」「右」って言ったら、サイドステップでマーカーの所までステップで飛んで、真ん中に戻るステップ。この繰り返しです。しっかり高く飛ぶことによってパワーも使いますし、終わったあとにまた足踏みすることで足に乳酸が溜まってきて、どんどん数をこなしていくと、音が鳴らなくなるんですけど。こういうトレーニングです。

 

では皇治選手、よろしくお願いします。

 

 

左右田:遅い。はい、上。はい、下。はい、左。

 

きついですか?

 

皇治:もうしんどいわ!

 

 

左右田:足の音が小さい。もっと速く。強く。強く。はい、上。上。膝がついてない、上に。

 

皇治:しんどい!キツい!

 

<アラーム音:終了>

 

皇治:これは中々しんどいでしょう(笑)

 

(笑)ありがとうございます。心肺に一番きてますか?

 

皇治:きてます(笑)しかもこれは練習後にいつもするんですよ。

 

一番最後にやるんですか、これを!?

 

皇治:でも、今やって思ったんですけど朝で一もキツイ(笑)足にめっちゃくるんですよね。

 

(笑)

 

皇治:ジャンプが低いって言われてましたけど、乳酸が溜まってくるとあれが限界ぐらいになるんですよ。

 

今やっていただいたトレーニングは、試合中リングの上でどういうところに活きてきますか?

 

皇治:結構しんどくなってくると、足が動かなくなるんですけど、そのしんどい中で足をしっかりと動かす。

 

3分3ラウンドとかやる時と全く最後一緒のような感じで、これを乗り越えておけば、3ラウンドの最後でもガッと力を出していける?

 

皇治:そうですね。やっぱり自分は「根性!根性!」とよく言いますけど、こういう練習が基礎にあってからの根性なので。いくら根性あっても体が動けへんやったら何もできないので。

 

 

2:腹打ちバッグ

 

左右田:これは僕が自分で現役の時に考えたトレーニングなんですけど。

 

皇治:これも本当は3分なんですけどね、これは今日はもう1分でいきます。

 

 

すごい迫力ですね…!具体的に何をしているのか細かいことを教えてもらうと、まず初めにボディを打たれて、そこから今度パンチにいくという?

 

左右田:そうです。お腹へのパンチが効いちゃうと足に力が入らなくなって強いパンチが打てないんですけど、お腹に効いた状態で強く打つっていうトレーニングです。

 

皇治:思いきり打たなあかんのですよ。普段は今の感じで打ったらめっちゃ怒られると思います。

 

今ので駄目ですか?

 

左右田:もっと全力で打たないと、音が。

 

いやもう、スタッフ圧倒されていましたよ。これって中高生とかでも取り入れても十分トレーニングに繋がりますか?

 

左右田:繋がると思うんですけど、これは毎日やるものじゃないですね。体も壊れちゃうので。

 

ジュニアアスリートがもしやる場合には、どの辺を意識して行うべきですか?

 

左右田:ボディを打たれるのはまずは軽くからでいいと思います。

 

皇治:サンドバックって結構軽く打つ人が多いんですけど、思いきり打つことが大事やと思います。

 

ジュニアでも思いっきり打つことが大事と。

 

皇治選手直伝!パンチ・キックのテクニック

 

パンチとキック、子どもたちに分かりやすく教えてもらえますか?

 

皇治:自分も教えてほしい方ですけどね(笑)自分は一番ハイキックでのKOが多かったので。そのハイキックとパンチについてちょっとでも伝授できたらなと思います。

 

パンチ:ワン・ツー、ストレートのテクニック

 

ちょっとワン・ツーをどういうふうに打つとより良い打ち方になるのか、テクニックを教えてください。皇治選手がワン・ツーを打つ時に気を付けていることは?

 

 

皇治:ワン・ツーを打つ時に自分が一番気にすることは、まっすぐ打ってしまうと相手にも打たれるので、自分からはあまりまっすぐ打たずに、ジャブ打ったら絶対に頭を下げるんですよ。頭をずらしておいたら、自分のパンチは当たるけど、相手のパンチはもらわない。一番カウンターを自分は恐れているので、絶対にまっすぐワンは自分は打たないのと、あと、ワン・ツー打つ時に、普通に打つと避けられるので、ジャブを置いたままにして。

 

置いたままにする?

 

皇治:ワンで打ったパンチを相手の目の前に置いたままにして、この手が邪魔やからこれをどけようとしたりするので、そこに打ったりします。

 

 

左右田さんはワン・ツーを打つ時に現役時代はどういう所に気を付けていました?

 

左右田:僕は相手の最初にワンで顎を打って、ツーで顎を打つこともあるんですけど、皇治さんがやったように、相手の構えているところにまず手にジャブを置いてからストレート打ったり、あと、最初のジャブで相手のおでこを、そうすると顎が上がるんですね。そこにストレートを打つとか。

 

 

なるほど。じゃあもう打つ位置も相当細かく考えて打っているんですね。

 

皇治:お互いやっぱりプロなので、普通のワン・ツーじゃほとんど当たらないですね。なので普通のワン・ツーは捨てて、あとはどう当てるかをすごい考えてやるんです。

 

確かにそうですね、打つ位置ちょっとずつ変えてますもんね。

 

皇治:ちょっとずつ変えます。だから、やっぱり左手が上手い人が世界に行ったりする。

 

ストレートを打つ時に気を付けないといけない、駄目な打ち方ってどんな打ち方ですか?

 

皇治:脇が開くことですね。脇が開いてしまうと力が抜けるので、脇をしっかり閉じて打つことはすごく大事ですね。やっぱり相手のガードの中に入れてくものなので、脇が開いてしまうと入らない。相手のガードの隙間の拳1個分なところに入れるイメージで打つのが一番。

 

本当に狭い隙間に入れていくっていう。

 

田中:先程のインタビューで伺った時に踏み込みが大事って言っていらっしゃいましたね。やっぱり踏み込みって相当重要になってくるんですか?

 

左右田:踏み込みは大事です。踏み込むことによって足の力がパンチに加わったりするので。

 

実際どうやって皇治選手は踏み込んでいるんですか?左足踏み込むのと同時に右を打つ?

 

皇治:やっぱり基本は右足で蹴って左打つ。右足で蹴ることがやっぱり基本的には多いです。この蹴りが強い選手はパンチがやっぱり強いですね。

 

 

キック

 

次はキックもお願いします。

 

 

皇治:キックは、これはもう得意ですよ。体は柔らかくしないと駄目ですけど、股割とかは結構いくんですけどめっちゃ硬いんですよ。試合前とかになるとベタっと床にくっついたりするんですけど、股割りが大事で。ハイキックは2パターンあって、回して打つのとガードの間から入れるパターンと。

 

前蹴りということですか?

 

皇治:はい。自分は間から入れるハイキックが得意で。よく皆さんがやるのは、こうきて、ワン・ツー歩いてハイキックとかを相手はやるんですけど、自分とかは避けてストレート打ってこのまま打つんですよ。相手の右ストレートがきたら、それに合わせて打ったり。自分は相手がガードを構えた腕と腕の間を狙って、足の親指が相手の顎にかすめるぐらい(で当てに行く)。それが一番倒せるんですよ。

 

そうなんですか!

 

皇治:自分のイメージですね。だから、それぐらい遠い距離から打つんです。みんなハイキックだと足の甲ぐらいで蹴るので、相手の顔面の上くらいまで入らな駄目なんですけど、自分はもう足の親指だけ当たればいいと思ってて。結構遠い距離でもバッと打つので相手には見えにくいんやと思います。

 

 

先程パンチの時は右足の押し、蹴りが大事だとおっしゃってましたけど、キックの時はどこが大事ですか?

 

皇治:やっぱね、パンチより何倍も足のほうが力が強いので、ほんまにちょっと上げるだけで効きます。パンチもそうですけど、蹴りはよりタイミングが大事やと思います。相手がガードを構えて、ヘビー級ぐらいになってくるとガードの上から力でなぎ倒せるんですけど、僕ら軽量級は当てるタイミングですね。

 

今回は総合格闘家の皇治選手にお話を伺ってきました。子どもの頃のお話をこんなにされたのは初めてじゃないですか?

 

皇治:そうですね。初めてです。

 

最後に、ジュニアアスリートの皆さんにメッセージをいただけますか?

 

皇治:いつも同じことを言っているんですけど、全然才能なんていらないですし、いろんなことがあると思うんですよね。小さい頃はそれなりにいろんなことがあると思うんですけど、悩みがないことが幸せなんじゃなくて、悩みに負けないことが幸せなんで。いろんなことがあると思いますけど、反骨精神が一番大事だと思います。根性を持っていれば、自分がこうなれたんやし、若い子たちは自分なんかどんどん超えていけると思うので、頑張ってください。心から応援しています。

 

皇治選手、どうもありがとうございました。

 

 

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